高卒は仕事がないって本当?
「高卒だと応募できる仕事がない」という意見を聞くこともありますが、実は「高卒だから仕事がない」というわけではありません。
厚労省は、令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」を取りまとめています。
求人数 | 求職者数 | 求人倍率 | |
---|---|---|---|
2023年7月末時点 | 約44万4千人 | 約 12 万6千人 | 3.52 倍 |
2022年7月末時点 | 約40万1千人 | 約13万4千人 | 3.01倍 |
最近の調査結果によると、求人倍率は3.52倍、つまり1人当たり3.5件の求人がある状態でした。
一般の人の2023年7月有効求人倍率は1.30倍のため、「高卒は仕事がない」とは言いきれません。
それでも少ないと言われるのは、次の理由などが挙げられるでしょう。
- 募集要項に「大卒以上」と記載されている求人を見ているから
- 必要な資格を保有していないため応募できない求人を見ているから
- 自力ではなかなか見つけられないから
高卒者の就職活動が成功する方法
高卒者が就職を成功させるには、どのように求人・仕事を探せばよいのでしょうか。
おすすめの探し方は次の3点です。
- 就職エージェントを利用する
- ハローワークに相談する
- 応募したい求人に必要な資格を取得する
それぞれ見ていきましょう。
就職エージェントを利用する
よい仕事が見つからないと感じるなら、就職エージェントの利用がおすすめです。
就職エージェントとは、就職や転職に関する専門知識を持ったプロが就職活動をサポートしてくれるサービスのこと。「学歴不問」「未経験OK」「若年層向け」など、高卒者にぴったりの求人を多く扱っているところもあります。
相談者の悩みや希望のライフスタイル、経験やスキルに合った求人の提案、応募手続きの代行、企業との面接などの日程調整、履歴書の書き方や面接の対策など、就職・転職を実現するためのさまざまなサポートを行ってもらえます。
「どんな仕事を選べばよいのかわからない」「未経験の仕事に挑戦したいが自分に向いているか不安」といった高卒者や若年者ならではのお悩みにも、就職エージェントならプロのサポートを受けながら就職活動を進められます。
社会人経験の少ない高卒者にとって、プロのサポートを受けられる点は大きなメリットと言えるでしょう。
ほとんどの場合はサポートを無料で受けられるため、アドバイスが欲しい高卒者は一度登録・相談してみることをおすすめします。
学生のとき、高校を卒業すると同時に就職する人たちはあまり仕事が選べなかった記憶がある…。今は高卒でも利用できる就職エージェントが多数あるので便利になったものです。
— JOB COMPANY (@usecompanydayo) February 12, 2020
東京新聞:高卒就職 複数応募を推奨 政府報告書「1人1社制」常態化:経済(TOKYO Web) https://t.co/rPdpmFdjca
ハローワークに相談する
ハローワークとは正式名称「公共職業安定所」で、全国に500ヶ所以上ある厚生労働省管轄の施設のことです。
こちらでは就職や転職を考える人に対し、職業紹介や相談など雇用についてのサービスを無料で行っています。具体的には、仕事・求人の紹介、履歴書の書き方や模擬面接、必要な資格情報の提供などです。
「公共職業訓練」「求職者支援訓練」といって、就職に必要な職業スキルや知識を無料で学ぶことも可能です。
訓練は無料で受けられ、一定の支給要件を満たしている場合には手当や給付金を受け取れる場合もあります。普通科を卒業した場合など、就職に役立つ資格が欲しい高卒者には特におすすめです。
厚生労働省が調査した令和4年3月新規学卒予定者の就職内定状況では、県内で就職先が内定した高卒者の割合は75.7%と多くの高卒者は地元で働きたいと考えているようです。ハローワークでは地元の求人を多数扱っているため、高卒者の求人探しに適しています。
学生や卒業後3年以内の人を対象とした「新卒応援ハローワーク」も全国56カ所に設置されているため、高卒者や社会人経験の少ない人は一度相談に訪れてみるとよいでしょう。
お前ら浪人失敗しても落ち込むな
— えっ⁉️ (@gaming_extu) March 16, 2023
高卒でもハローワーク求人でいいのごろごろ転がってるし年収1000万は行かなくとも初年度年収600万行く求人いっぱいあるぞ、受かりました
資格を取得する
先ほどもご紹介しましたが「高卒は仕事がない」と感じる理由のひとつは、必要な資格を持っていないため応募できないというものでした。
ITパスポート
たとえばIT業界に興味があるなら、「ITパスポート」の資格取得がおすすめ。ITに関する基礎知識があることを証明できる国家資格です。短期間で取得可能なところも魅力ですよ。
2024年3月24日現在、タウンワークで「東京都」「ITパスポート」「学歴不問」「正社員」の条件で検索をすると、166件の求人が見つかりました。
【WANT】
タウンワーク
複数のプログラム言語経験
基本設計、詳細設計経験
ITパスポート、基本情報、応用情報、各Java資格等、ITに関する資格をお持ちの方
ITリテラシーが備わっている方
高卒以上
タウンワーク
Windowsパソコンの基本操作が可能なこと。
ITパスポート取得者歓迎
上記は実際にタウンワークに掲載されている求人情報の一部です。ITパスポートの資格を保有しているだけでも優遇されることがわかりますね。
宅地建物取引士
国家資格「宅地建物取引士」の資格を取得すれば、不動産業界への就職が有利です。
不動産に関する重要事項の説明などは宅建士だけに許された業務であり、事務所ごとに従業員5人につき1人以上の割合で宅地建物取引士の設置が義務付けられています。
2024年3月24日現在、タウンワークでは「東京都」「宅建」「学歴不問」「正社員」の条件で検索するだけでも756件もの求人が見つかりました。
事務経験/宅建取得者や不動産業にて就業経験ある方は尚可
タウンワーク
・宅地建物取引士 3万円/月(試用期間中1.5万円/月)
タウンワーク
・重要事項説明手当 1万円/回(建築士・宅建士の資格をお持ちの方)
こちらも実際にタウンワークに掲載されている求人です。宅建資格保持者であれば優遇されたり、資格手当も支給されたりなど、採用面でも給与面でもメリットとなるでしょう。
普通自動車第二種免許
他にも「普通自動車第二種運転免許」を取得すれば、タクシー運転手やハイヤーなどのドライバーとして勤務することもできます。
2024年3月24日現在、タウンワークでは「東京都」「二種免許」「学歴不問」「正社員」の条件で、92件の求人が見つかりました。
二種免許所持者歓迎
未経験ok!二種免許取得費用は会社負担!
タウンワーク
【必須条件】
タウンワーク
・普通自動車免許所持3年以上の方(AT限定可)
(二種免許は入社後に取得からサポートします!費用は全額会社負担!)
こちらも実際にタウンワークに掲載されている求人です。二種免許の資格取得をサポートしてくれる会社もあり、資格保持者は相当有利ではないでしょうか。
必要な資格を取得することで求人に応募できるのであれば、チャレンジしてみるのも一つの方法です。
良い人材は上でちゃんと働いてるし、上は上で取り合ってる
— おもむき (@omomuki_umilove) March 6, 2024
雇ってくれない!は、シンプルに本人の問題
宅建とか簿記とかなんでもいいから仕事ができる資格取って、ちゃんと勉強すれば、30からでも高卒でも雇ってくれるとこはある
ここにいるぞー!
とか言ってる場合じゃない https://t.co/FfLx5rDiJW
高卒者向け仕事・求人の多い業界は?
高卒者向けの仕事・求人が多い業界は、次の業界です。
- 製造業
- ITエンジニア
- タクシー業界
- 営業職
それぞれおすすめの理由をご紹介していきます。
製造業
製造業の求人とは、自動車メーカーや食品メーカーなどの工場で働く仕事。
学歴を問わない求人が多く、実力や経験次第で高卒未経験でも高収入や出世を目指せるところが製造業の魅力です。
勤務先によっては、フォークリフトなどの資格を取得しておくと有利な場合もあるでしょう。
福利厚生が充実した企業が多いところも製造業の特徴で、寮・光熱費無料・社食付きの求人もあります。採用が決まったらお金をもらえる「入社祝い金制度」のある求人も。入社祝い金についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
僕の父は高卒で3交替の仕事をしていたんだが、結構キツそうだったけどめちゃくちゃ稼いでたな〜笑
— すん (@money_otoku) February 1, 2024
Fラン大学行くくらいなら高卒で工場勤務した方が太いんだよな〜笑
ITエンジニア
ITエンジニアの仕事も学歴より実力が重視されるため、高卒者の求人・採用の多い業界です。
世の中のIT化にともない、どの企業でも急速にIT化が進んでいるため、IT業界は人手が足りていません。
新しい技術が日々進化している業界のため、新しい技術を身につければキャリアを積んだ先輩を超えることも可能です。
昇給や昇格に関しても、学歴よりも実力が問われる場合が多いでしょう。高い技術をもっていれば、学歴に関係なく高い評価を得られます。
実力次第で、高収入なITコンサルタントなど他の業種へキャリアチェンジしたり、起業したりすることも可能です。
ワシの知ってる、日本を代表するIT企業。40年位前迄は、高卒では管理職にすら成れなかった。
— 昇 (@NoboruOyaji) March 14, 2024
20年位前迄には変わって、今や、知人の高卒の方は、役員になられてる。時代は変わってるし。
タクシー業界
タクシー業界も、学歴が必要ないため高卒者の応募が可能な仕事です。
お客さんをたくさん乗せて運賃をたくさん払ってもらうことで、タクシー運転手の収入が増える仕組みです。関東圏では年収5~600万円を稼いでいるドライバーも多く、中には年収1,000万円を超えている人もいます。
多くのタクシー会社は、隔日勤務制度を導入しています。隔日勤務とは1ヶ月に12~13日程度出勤し、朝8時から夜中の2時までの時間が勤務時間となる勤務形態のこと。月の半分以上が休みのため、時間の自由が利くところも魅力です。
タクシー運転手になるには第二種免許の取得が必要で、「21歳以上かつ運転経験3年以上」が取得条件でした。ですが令和4年5月13日の道路交通法改正により、「受験資格特例教習」を受講することで「19歳以上かつ運転経験1年以上」で取得可能と変わりました。
若手のドライバー育成のため第二種免許取得費用や特例教習の受講代を全額負担するタクシー会社もあるなど、高卒者にもおすすめの仕事ですよ。
今乗ったタクシーのドライバーさん、年収600万円らしい。それも週休二日制、昼勤務のみ、たまに1週間休みとって家族旅行も。タクシーって給与安くてブラックのイメージあったけど、全然違ってた。給与体系は基本給+成果報酬(売上×65%)、夜勤ありだと年収800万円前後、多い人は1000万円超えらしい。
— マサニー@資産35億円ニート (@alljon12) June 12, 2023
営業職
営業職は不動産販売・自動車販売・保険販売など、自社製品を販売する仕事です。
ほとんどの場合は固定給+歩合制(インセンティブ)が営業職の給与形態で、学歴よりも成績で評価される仕事です。
高卒者の採用数も多く、給与面だけでなく昇格も実力次第で目指せます。
企業によって販売する商品は変わりますが、不動産や保険などの高価格なものを販売する営業職に就いた場合は、結果次第で年収1,000万円以上を稼げる可能性も。
高校在学中に宅建士取って高卒で入社して成績めっちゃいい営業の人見ると、やっぱり学歴なんて意味ないんやなぁって
— たいたいぶん (@taitaibun) March 12, 2024
高卒でも仕事はある!高卒者の就職は求人の探し方が重要
もし「高卒だから仕事がない」と感じているとしても、実際には仕事がないわけではありません。
高卒者の求人探しには次の3点が重要です。
- ハローワークに相談する
- 就職エージェントを利用する
- 応募したい業界に必要な資格を取得する
資格取得やハローワーク・就職エージェントに相談することで、仕事探しが進展することもあります。
就職活動の参考にしてくださいね。